帰化申請の際の申請書に帰化後の氏名の欄がありますので、帰化申請時に帰化後の氏名を決める必要があります。

また、帰化申請期間中であれば変更を申し出ることは可能です。帰化後の氏名についていくつかのルールがありますので、確認していきましょう。

自由に決められるのか

帰化後の氏名は、自由に決めていただいてかまいません。たとえば好きな芸能人の名前であっても問題ありません。ただ、結婚されている方は注意点があります。

日本では日本人同士の夫婦の場合、夫婦で同じ姓を名乗られければいけないことになっています。令和4年の現時点では夫婦別姓は認められていません。

名前に使える文字は?

基本的には日本人と同じルールになります。外国人の方が本国での名前を日本で使用する場合、アルファベットなどの日本語以外の文字はそのままでは使用することができません。

日本では以下の文字を使用することができます。

日本で使用できる文字

  • ひらがな
  • カタカナ
  • 常用漢字(1945文字)
  • 人名用漢字(984文字)

たとえば、中国人の方で『刘 伟』さんの場合は、そのまま中国の漢字は使えませんので『劉 偉』と日本の漢字にする必要があります。

通称名で使っていた名前に、日本で使うことができない漢字などが含まれていた場合には、帰化するにあたって使えなくなるという可能性もあるので注意してください。

元サッカー選手のラモス瑠偉さん(ブラジル出身)は、ルイ・ゴンサゥヴェス・ラモス・ソブリニョという長めの本名でしたが、そこから苗字と名前をピックアップし、名前には漢字を当てています。

また、大相撲では帰化しなければ日本相撲協会に残れず、親方になれないため、親方になりたい外国人力士は帰化するしかありません。その中にも様々な名前の付け方があり、名前を変えない力士、四股名をそのまま本名にする力士、奥さんの戸籍に入って奥さんの姓になり下の名前だけ決める力士、親方の名字をそのまま使う力士、など実に色々な方がいます。

このことから分かるように、帰化した後の名前はある程度自由に決めることができますし、自由に決めている方が多いです。

ミドルネームは使えない

日本では、名前にミドルネームを使うという概念がありませんので、日本人として名乗る場合にはミドルネームは使えません。

日本の名前は、「氏」と「名」で成り立っています。

「氏」は「うじ」と読みます。または、「姓(せい)」や「苗字(みょうじ)」などと読まれることもあります。英語でいうところの「family name」が、この「氏(うじ)」にあたります。「名」が「first name」で、「下の名前」などと言われることもあります。

氏と名の使い方

◯ 氏 + 名

✖️ 氏 + ミドルネーム + 名

既婚者の氏の決め方は?

外国人同士の夫婦が帰化をする、または日本人の配偶者の外国人が帰化をするということは、日本人夫婦になるということなので夫婦同姓にする必要があります。

帰化許可申請書の「帰化後の氏名」の「氏」の欄には、氏を記入した後に「(夫の氏)」または「(妻の氏)」と明記してください。

帰化後の苗字の変更方法

すでに帰化申請が終わっている方が後から苗字を変更したいと思った場合、どうすればいいのでしょうか。

苗字の変更方法

・養子縁組
・結婚
・家庭裁判所での「氏の変更申立」

養子縁組や結婚での苗字の変更は、お住まいの地域の役所に行って苗字を変更したい旨を伝えれば、役所の方が丁寧に教えてくれます。少し大変なのが、家庭裁判所で苗字を変更する場合です。

家庭裁判所での苗字の変更手続き

養子縁組でも結婚でもなく、家庭裁判所で苗字を変更する場合は、一定の手続きに従う必要があります。

手続きの手順

① 家庭裁判所で「氏の変更許可」を得る

② お住まいの地域の役所で「氏の変更の届出」をする

特に①の家庭裁判所の氏の変更許可については、手続きをしたからといって必ず許可がされるわけではありませんのでご注意ください。

家庭裁判所で許可さえでれば、②の役所での氏の変更の届出は問題なく受理されます。

家庭裁判所での氏の変更許可について詳しくは下記を参照ください。

まとめ

帰化申請時に決めた名前は、これから日本で暮らしていく上で一生使っていくものです。また、苗字というのはご自分の子供や、その孫も使っていくことになります。

また、国によっては簡単に名前の変更が簡単にできますが、日本では正当な理由がある場合に限り家庭裁判所で名前の変更ができることになっていますので、できるだけ慎重に決めてください。

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